こんにちは!
ゴローです。
ゴローが大学生だった頃、おおいに流行していたワードがあります。
「SRI」です。
SRIとは、「社会的責任投資」と訳され、株主が株式を保有し、議決権を行使することで、その企業の意思決定に関わり、企業の社会的責任(CSR)に配慮した経営を求めていく投資スタイルです。
CSRとは、「Corporate Social Responsibility」といって、企業が、倫理的観点から事業を通じ、さまざまな利害関係者に対し、その責任を果たしていき、企業が永続的に繁栄していく、という企業活動のことです。
「企業の社会的責任」といえば。
たとえば、今でいえば「地球温暖化」でしょうか。
化石燃料を燃やし、森林のCO2吸収能力をはるかに超えるCO2排出により、地球が冷めず、徐々に気温が上昇していく、それに対して企業はどう対処するのか、といった問題です。
日本でいえば、埼玉県熊谷市で、2018年の夏、41.1℃という驚異的な気温を記録したことが、今も記憶に新しいと思います。
このグラフは、世界の平均気温の偏差を表しています。
明らかに右肩上がりで、どこかでこの流れを止めなければならない、という思いを強くする方もいらっしゃると思います。
この気温上昇が、CO2排出量とどういった関係があるのか?
とお思いになる方もいらっしゃるかもしれません。
ゴローとしては、おそらく「無関係ではない」という立場です。
パリ協定では、「産業革命時からの世界の気温上昇を2℃までに抑える」という枠組みが採択されました。
「21世紀の後半までに、温室効果ガスの排出をゼロにすること」
これが、具体的なパリ協定における必要とされるアクションです。
ゴローの敬愛するウォーレン・バフェットも、バークシャー・ハザウェイが保有していたエクソンモービル株式を、2014年末時点ですべて売却しています。
バフェットは原油について、「保有期間は永遠」の基準を満たさないと判断したようですね。
しかし、米国は2017年にパリ協定を離脱表明してしまいました。
法的な手続きのため、実際に離脱するのは2020年頃になるそうですが、この離脱により、2050年までに被る米国の経済損失は逆に、数兆ドルに上ると報道がありました。
パリ協定については、「日本は2030年度の温室効果ガスの排出を、2013年度の排出量から26%削減する」、という目標が国連に提出されています。
こうした流れを受けて企業も、温暖化問題に対しどういう対応をしているのかによって、その企業価値が高まる、という時代が来るということを、理解し始めているようです。
その一端が、最近再び流行している「ESG投資」です。
ESG投資とは、E:Environment S:Social G:Governance の略で、企業利益以外にも、消費したり、投資したりする際に、ESGにプラスの効果をもたらす企業の株式を購入の指標として設定し投資するスタイルのことです。
つまり、これまで主流だった財務諸表の数値、たとえば利益率やキャッシュフローだけを見て企業価値を評価するのではなく、ESGに照らし合わせて「優れた企業」を選択する投資手法、ということが言えます。
われわれミレニアル世代は、大多数が「持続可能性」を価値観の中核に据えていると理解されています。
この世代が世界の人口の50%を占めていることを考えると、(味方にすれば)投資においても極めて力強い世代とも言えます。
ミレニアル世代は、消費し、投資することについて、ますますESGであることを企業に要求しているように見えます。
たとえば、消費者として、われわれは商品を購入する前に企業にどのように社会や環境にプラスに寄与するのかを示すよう求める。
コーヒー豆でいうと、「フェアトレード」のマークのついたコーヒー豆を買うようにする。などです。
トランプ大統領はパリ協定を離脱する際、「3兆ドルの損失を被っている」と言って離脱表明しました。
しかし、気候変動の証拠はこのブログでも紹介したとおり、増加しています。
大気汚染や健康被害の因果関係はますます明確になっているので、ESGを重視するのは驚くことではありません。
ミレニアル世代は、今後数十年間で、40兆ドル以上の富を相続することになります。
これは、われわれが全員「投資家」になると仮定すれば、凄まじいパワーを持った投資家たちとも言えます。
この世代が重視する価値観に合わせて、投資することもひとつの選択だと思います。
ESG銘柄への投資は、リターンを低下させずにリスク管理を改善させることができます。
というのも、ESGスコアが向上している企業は、ESGスコアに変動が無い企業よりも、株価がアウトパフォームする傾向があるようだからです。
したがってこの観点(ESG)は、長期的に見て、企業の競争優位性をもたらすキーファクターとなり得ます。
つまり、ESGに配慮しない企業は、評判の悪化、財政および訴訟リスクを上昇させる可能性があり、企業の売上も落ちていき、企業の持続性に疑義が生じる可能性があることを意味しています。
企業は、事業活動を行う上でESGに配慮することが、もはや必要な要件となっていくのです。
ESG銘柄に幅広く投資できるETFもあります。
iShares MSCI USA ESG Select ETF です。
上位10銘柄は、
マイクロソフト
エコラブ
アップル
スリーエム
アクセンチュア
グーグル
ロックウェル・コリンズ
ブラックロック
ノーザントラスト
アジレントテクノロジー
です。
バフェットの友人であるビル・ゲイツのマイクロソフト、バフェットの保有銘柄のうち、2018年9月時点でもっとも保有割合の多い(25.79%)銘柄であるアップル、などが並んでいます。
このETFの10年の長期リターンを見てもわかりますが、さすがバフェットですね。
長期投資家には、S&P500も良いですが、この投資スタイル(ESG投資)も良いのではないか、とゴローは思います。
Take the risk or Lose the chance.