こんにちは!
ゴローです。
WTI原油先物が暴落しています。
一時75ドルを超えていた原油先物価格が現時点で51ドルと、32%の大暴落です。
これに伴って、石油関連株式も下落しており、投資妙味が増しています。
今回は、石油メジャーの一角、エクソンモービル(XOM)を見ていきたいと思います。
●企業概要
もともとは米国の石油王ジョン・ロックフェラー氏が設立したスタンダードオイル社を前身としており、1999年にエクソン社とモービル社と合併、世界最大規模の石油会社となりました。
石油と天然ガス事業で、川上(調査・探査・開発)から、川下(石油精製・販売)までを手掛けており、原油先物価格の上下動に強いと言われています。
安定的な業績が魅力の大企業です。
エクソンモービルの1年チャートを見てもわかるとおり、概ねWTI原油先物と相関しているものの、今回のWTI原油先物の暴落とは異なり、エクソンモービルの株価はさほど下落していません。
これは、エクソンモービルがWTI原油先物に影響されにくい、川上から川下まで統合したビジネスモデルであるためだと言われています。
WTI原油先物の暴落にも強いということは、ディフェンシブであるということです。
ウォーレン・バフェットは保有していませんが、ポートフォリオに加えてもいい銘柄だと思っています。
エクソンモービルの株価がさほど下落していないのは、2018年7-9月期(第3四半期)の決算が好調だったことも影響していると思います。
エクソンモービルの7-9月期の純利益は前年同期比57%増加の62億4000万ドルで、1株利益(EPS)は0.93ドル⇒1.46ドルに増加しました。
マーケット予想の1株利益は1.24ドルだったため、予想を上回り株価は下落しているものの、WTI原油先物ほどではありません。
また、エクソンモービルは環境対策にも乗り出しています。
今後2年間で100万ドルを拠出し、企業の二酸化炭素(CO2)排出に対する課税策を推進する予定です。
地球規模での気候変動に対する石油企業の取り組みとしては珍しい取り組みで、エクソンモービルとしては「炭素税」を政治的な優先課題にしたい、という意図があるようです。
トランプ大統領はパリ協定を離脱することを表明していますが、世界的に見ても地球温暖化に対する法的な規制が強化され始めています。
エクソンモービルは、「炭素税」について、米国における各州が独自に設定するのではなく、全米で統一されたルールに基づいて課税することにしないと、各州が独自にルール設定してしまう、ということを懸念しています。
エクソンモービルが100万ドルを拠出し、CO2排出にかんする課税策を推進するのには、こうした独自ルールによる石油企業を標的にした独自の規制を課すことを排除したいという狙いもあるようです。
企業がこれからの時代を生き残るためには、環境コストを負担するような政策・課税に対して対応していかなければなりません。
石油エネルギー企業は地球温暖化について、標的にされやすいので、そこは注意が必要です。
●エクソンモービルの売上総利益率
売上総利益率は23.2%と、比較的高いマージンを有しています。
●エクソンモービルの売上高・純利益の推移
WTI原油先物価格が2011年~2014年まで、平均的に100ドル付近だったため、このグラフでいうと2013年、2014年の売上高は凄まじい金額となっています。
その後も堅調な売上高と純利益を維持しています。
●エクソンモービルの発行済み株式数と1株利益
発行済み株式数は減少傾向にあります。
1株利益は2013年、2014年はあてになりませんが、それ以降も安定的に推移しています。
●エクソンモービルのキャッシュフローの推移
WTI原油先物が100ドル付近で推移していた2013年、2014年の営業キャッシュフローは2017年の1.5倍ほどもありますね。
その後も安定的なキャッシュフローを維持しており、フリーキャッシュフローも潤沢にあります。
●各種指標
PER=14.30倍
PBR=1.73倍
PSR=1.25倍
PCFR=9.50倍
株価下落の影響もあり、割高感はありませんが、割安感もありません。
さすがエクソンモービル、安定しています。
過去10年間の平均PER=13.03倍ですから、そこから見ると、多少高いです。
現在の配当利回り=4.29%で、4%超えの高配当銘柄です。
過去5年間の配当成長率=5.6%で、毎年のように配当も成長しています。
分析していると、なんだか欲しくなってきました。。。
Take the risk or Lose the chance.