こんにちは!
たばこ株に「フォーカス投資」しているゴローです。
タバコ株式は米国のFDAのメンソールタバコ規制案の発表で暴落しており、アメリカのマーケットに無関係だと思われていたフィリップモリスも暴落しています。
その原因は、クレディ・スイスやJPモルガンなどの主要アナリストたちが投資判断を「オーバーウェイト⇒ニュートラル」や、「ニュートラル⇒アンダーパフォーム」などと、評価を引き下げたためです。
同じく、タバコメーカーのアルトリアグループも、シティグループが投資判断を引き下げたため、株価が暴落しています。
メンソール規制&投資判断のダウングレード、不透明な先行き・・・
こうしたダブル、トリプルのショックがタバコメーカーを襲っており、株価は下げ止まる気配を見せていません。
まさに、「メンソール・メルトダウン」です。
ホルダーとしては、心配ではあります。
ですが、心配しても、配当は出してくれますし、来年1月もまた配当を受け取れるわけですから、それを楽しみに投資を行っている、という状態です。
下げる下げるとはいっても、ゼロにはなりませんし、ゼロ付近になるまで暴落するならば、ゴローは再度、(分散投資を無視して)買い増しを行います。
現在のタバコ株式の配当利回りは過去10年の平均配当利回りからみると、異常な高利回りだからです。
確かに、フィリップモリスの配当性向は極めて高くなってきており、利益の増加ペースと増配率のペースがマッチしておらず、いずれ近いうちに増配を止めるか、減配する恐れも想定されます。
そうなると、増配を続けてきたフィリップモリスに対する期待や希望が失望に変わり、株価がさらに暴落する恐れもあります。
ただ、注意しなければならないのは、(会計屋さんとしては)「株価は企業利益と相関する」という原則です。
企業利益が増分していくならば、株価はそれを直ちに、正しく反映しないにしても、明らかな安値や、明らかな高値をたまにつけたとしても、長い目で見れば平均値に回帰するものです。
実際、フィリップモリス、アルトリアグループ、ブリティッシュアメリカンタバコ、この大手3社については、ジャーナリストの記事などでも「明るい」話題が提供され始めてきています。
これは、現在の株価が明らかに異常値を示しているからだと思われます。
例えば、フィリップモリスの2018年度のEPS(1株利益)見通しは、5.02ドルで、昨年の4.72ドルに比べて6.4%増加する見込みです。
2019年度のEPS(1株利益)見通しは、5.29ドルで、2018年度比5.3%増となっています。
- 2018年度=5.02ドル
- 2019年度=5.29ドル
- 2020年度=5.75ドル
- 2021年度=6.27ドル
アルトリアグループは2018年度のEPS(1株利益)増加率は前年比17.9%増、2019年度は前年比7.8%を見込んでいます。
- 2018年度=3.98ドル
- 2019年度=4.27ドル
- 2020年度=4.53ドル
- 2021年度=4.84ドル
ブリティッシュアメリカンタバコのEPS(1株利益)見通しについては、
- 2018年度=3.7ドル
- 2019年度=3.97ドル
- 2020年度=4.62ドル
- 2021年度=5.19ドル
を見込んでいます。
こうした利益成長の見通しがあるだけに、ゴローはタバコ株式に「フォーカス投資」しているわけです。
「タバコ株はオワコン」「タバコマーケットは縮小市場」と言われながらも、これらの大手タバコ企業は利益を計上し続けています。
ゴローはそこにBETしているわけです。
今回は、フィリップモリスインターナショナルを見ていきましょう。
●企業概要
フィリップモリスインターナショナルは、たばこ製造・販売を営む企業です。
主要ブランドは「マルボロ」「メリット」「パーラメント」「バージニア・スリム」「フィリップ・モリス」「ラーク」、パイプたばこ「ボンドストリート」などの国際的ブランドのほか、「ダイアナ」「アソス」「f6」「オプティマ」「モーベン・ゴールド」「ベルモント」などの地域ブランドを180か国で展開しています。
フィリップモリスインターナショナルの2018年7-9月期(第3四半期)の決算は、純利益が22億5000万ドルとなり、前年同期の19億7000万ドルを上回り、好調でした。
EPS(1株利益)は、1.44ドル(前年同期は1.27ドル)で、アナリストの予想である1.28ドルを上回りました。
売上高は0.4%増の75億ドルで、マーケット予想の71億7000万ドルを上回りました。
ただ、出荷数量は0.2%減少しました。
業績は好調なようです。
●フィリップモリスインターナショナル 10年チャート
FDAのメンソールタバコ規制の連れ安と、クレディ・スイスやJPモルガンのダウングレードを受けて、高値の110ドル⇒66ドルまで暴落しています。
タバコ企業にとっては世界的に逆風が吹いているようです。
●フィリップモリスインターナショナルの売上総利益
ものすごい利益率の高さです。
これほどまでに利益率の高いビジネスをしていたら、さすがに政府に目をつけられても仕方ないのかもしれません。
たばこ製造には追加的に設備投資をする必要がなく、未来にわたって安定的に収益をあげてくれるはずです。
ただ、フィリップモリスはケムリの無い社会を目指し、紙巻きたばこをいずれは全廃すると発表しています。
iQOS(アイコス)は電子デバイスですので、現状よりは設備投資が必要になってくると思います。
●フィリップモリスインターナショナルの売上高・純利益の推移
過去10年間、フィリップモリスの売上高・純利益は極めて安定しています。
これに比べると、株価は上昇したり下降したりと忙しいです。
フィリップモリスのビジネスモデルは安定的に収益を得られる仕組みとなっていることがわかります。
●フィリップモリスインターナショナルの発行済み株式数と1株利益
過去3年間は自社株買いを行っていませんが、それまでは潤沢なキャッシュフローを使って毎年のように自社株買いをおこなっていました。
現在は自社株買いに充てていたキャッシュを配当に回しているようです。
ハイイールド狙いのゴローにとっては嬉しい限りです。
●フィリップモリスインターナショナルのキャッシュフローの推移
安定的です。
過去10年間、これほどまでに安定しているのであれば、今後も安定的にキャッシュを生み出し続けてくれる、と期待できます。
設備投資もさほど必要なく、iQOSの設備投資がどれほど必要かにもよりますが、配当に回せるフリーキャッシュフローは潤沢にあることがわかります。
もし米国でiQOS(アイコス)の販売が認められれば、おそらくアルトリア・グループを通じて販売することになると思います。
そうなると、米国向けにiQOS(アイコス)を販売できることになり、さらなる収益の増加が見込まれます。
●各種指標
PER=15.40倍
PBR=マイナスのため計算不能
PSR=1.31倍
PCFR=10.30倍
配当利回り=6.88%
過去10年間の配当利回り成長率=11.3%です。
これは、約7年間ホールドしているだけで、配当利回りが2倍になったことを示しています。
最近3年間では、配当利回りの成長率=3.6%ですから、配当利回りの成長率は鈍くなってきています。
過去10年間の平均配当利回り=4.17%ですから、現在の配当利回り=6.88%がいかに異常な数値か、把握できると思います。
タバコ銘柄は、政府の規制リスクやアナリストたちのダウングレードによって、現在きわめてハイリスクな(そして割安な)株式となっています。
投資を開始するのはもう少し落ち着いてから、の方が良いかもしれません。
Take the risk or Lose the chance.