こんにちは!
バフェット流「米国株式へのフォーカス投資」を実践するゴローです。
さて、今日は米国株式への投資家にとって、ほぼ間違いなく、そのポートフォリオに組み込まれている【IBM】についてです。
米国株式投資家とIBM
IBMへの投資は、高配当を狙う投資家にとって、長い間重要な役割を果たしてきました。
何年もの間、IBMの株価は他の株式よりも高い株価で取引されている一方で、
投資家に高利回りの配当金を支払ってきたからです。
しかしながら、近年、その勢いは失速しています。
リーマンショック後の強気の相場環境にもかかわらず、IBMの株価は2013年に最後の過去最高を更新したきりで、株価の上昇がほとんど見られません。
IBMの株価 10年チャート
IT業界の技術リーダーには20年間ものあいだ、株価が上昇しない「暗黒時代」がありました。
IBMの特許件数は米国一ですが、
それが収益に結びついていません。
最近では、GE(ゼネラルエレクトリック)やKHC(クラフトハインツ)のような他のアメリカの象徴的な企業の株価暴落が注目を集めています。
ゴローはIBMが次に「暴落する銘柄なのではないか」と、心配しています。
というのも、ゴローは、IBMと同じく、収益が減少している傾向のあったクラフトハインツに投資しており、暴落に巻き込まれました。
今は損切りし、保有株数はゼロですが、この暴落は、クラフトハインツのブランドに信頼をおき、バフェット氏を敬愛していたがために起きた事故だったと思っています。
バフェット氏が投資していなければ、ゴローはクラフトハインツ株には投資していませんでした。
ゴローのような保守的な投資家にとって、IBMの配当は、今後も維持できると信じて良いのでしょうか?
それとも、クラフトハインツのように、事態が悪化する前にIBMを捨てる覚悟を決める時なのでしょうか。
実際に、ウォーレン・バフェットはIBM株を売却済みです。
ゴローは、IBMには投資していません。
IBMの配当利回り成長率
IBMは1995年まで遡ると、年間配当額が急増してきました。
株価の成長と配当の成長、この2重の成長に、投資家はIBMの株式に引き寄せられてきました。
しかし、IBMだけでなく、他のどんな企業であっても、会社の事業がが軌道に乗らない限り、その配当をそれ以上増やすことはできません。
IBMは年率13%の配当利回り成長率を10年間、維持してきた記録を持っていますが、
これは過去3年間で一桁台まで減速しました。
昨年、IBMはわずか5%の配当増の引き上げにとどまりました。
なぜ、IBMの株価は上昇しないのか?
その理由はかなり単純だと思います。
IBMの収益は何年にもわたって減少しているからです。
2011年のIBMの売上高=1,069億ドル
2018年のIBMの売上高= 795億ドル
IBMの売上高・EPSの推移
年度 | 売上高 | EPS |
1999 | 87,548 | 4.12 |
2000 | 88,396 | 4.44 |
2001 | 85,866 | 4.35 |
2002 | 81,186 | 2.06 |
2003 | 89,131 | 4.32 |
2004 | 96,293 | 4.93 |
2005 | 91,134 | 4.87 |
2006 | 91,424 | 6.11 |
2007 | 98,786 | 7.18 |
2008 | 103,630 | 8.93 |
2009 | 95,758 | 10.01 |
2010 | 99,870 | 11.52 |
2011 | 106,916 | 13.06 |
2012 | 104,507 | 14.37 |
2013 | 99,751 | 14.94 |
2014 | 92,793 | 11.9 |
2015 | 81,741 | 13.42 |
2016 | 79,919 | 12.38 |
2017 | 79,139 | 6.14 |
2018 | 79,591 | 9.52 |
(売上高は単位=百万ドル)
IBMの悲惨な22四半期連続の収益減少が続き、2016年度には、なんと800億ドルを下回りました。
インフレについて考えてみたり、
単に値上げによって収益がどのように経時的に増加するのかを考えると、
IBMの状況はさらに悪くなると考えられます。
インフレを考慮すれば、IBMの表面上の売上高はもっと増えていなければならないのです・・・。
したがって、IBMの収益力は毎年、減少し続けていることになると言えます。
IBMのEPSの増加の理由
IBMは、コア事業の業績を改善することによってではなく、積極的な自社株買いを通じてEPSを拡大し続けています。
1990年代半ばから2018年まで、IBMはその株式数を24億株から現在の9億株にまで削減してきました。
IBMは自社株を買い戻し続けたため、業績が低迷しているにも関わらず、EPSは着実に成長してきているのです。
しかし、このアプローチでは、問題となることがあります。
IBMの抱える急速な負債増加により、株式を購入するためにお金を借り続けることがますます問題となっていることです。
配当利回りは維持できるのか?
1995年からリーマンショックまでの間に、IBM株式の配当利回りは2%以上にはなりませんでした。
2014年には、配当利回りは2%を超えました。
2015年には、20年ぶりに3%を超えました。
2016年には、最大4%の配当利回りが発生しました。
しかし、2018年末、IBMの株価は急落し、配当利回りは5.8%に急上昇しました。
これは、投資家がIBMの配当が現在の利率で今後も続くことができるという信頼を明らかに失ったことを示していると考えられます。
一般的に、ベライゾンやAT&Tのような通信株で、
本質的に成長が見られない主流企業のみが、6%前後の配当利回りの株価で取引されています。
もちろんですが、IBMは通信株ではありません。
IBMを買うべきか?
IBMの株価は確かに、十分安く見えます。
10倍未満のPERとその5%の配当利回りで、これは特に他のハイテク株と比較して、きわめて魅力的な株価水準だろうと思います。
しかし、それは「バリュートラップ」になる可能性があります。
端的に言うと、「安物買いの銭失い」ということです。
IBMは、収益の拡大を維持し、増配を約束するために自社株買いに頼ってきました。
Red Hat買収による極端な借入金の増加のリスクを考えると、IBMは自社株買いをやめなければならなかったと考えます。
ゴローは、個人的にはIBM株には投資しない方針です。
しかし、
細かい話しで言えば、子どもたちに対するAI教育を推進していたりするのは、とても有益なことだと思っています。
AI教育は未来を担う子どもたちにとって、有益な事業だぞ!
Take the Risk or Lose the Chance.
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