昨日は日経平均が35,577.11に。
毎日のように上昇していてちょっと怖くなってきました。
さて、米国市場と米国株投資につきものの為替について、みていきましょう。
米国市場の現状
現在のマーケット環境は、インフレと金融政策の不確実性によって動揺してます。
米国の消費者物価指数(CPI)が予想を上回る上昇を示したことで、FRBが利下げを見送る可能性が高まりました。これは、市場がすでに2024年に利下げを織り込んでいたことを考えると、株式にとってネガティブなシグナルです。
一方、インフレの上昇は、経済の回復が順調に進んでいることを示しており、企業の収益にはプラスになります。しかし、インフレの上昇は持続的かどうか、また、FRBがどのように対応するかが重要なポイントになります。
私の視点では、インフレの上昇は一時的なものであり、供給不足や需要の急増によるものであると考えます。食品やエネルギーなどの変動的な要素を除くと、コアCPIは3.9%と高い水準ですが、これは主に住宅費用の上昇によるものです。住宅費用は、低金利や低在庫による需要の高まりによって押し上げられていますが、これは中長期的には安定すると見込まれます。
また、賃金の上昇もインフレ圧力を高めていますが、これは労働市場の改善によるものであり、生産性の向上につながる可能性があります。したがって、インフレは2%の目標に近づくと予想されます。
FRBにとっては、インフレの上昇は金融政策の正常化に向けた一歩となりますが、利下げを急ぐ必要はないと思われます。
FRBは、インフレが平均的に2%を超えるまで、利下げを見送るという新しいフレームワークを採用しています。これは、過去にインフレが低かったことを補償するためです。
また、FRBは、雇用が最大限になるまで、利下げを見送るという目標も掲げています。現在の雇用率は5.4%と改善していますが、まだパンデミック前の水準には達していません。したがって、FRBは、インフレと雇用の両方の指標が目標に適合するまで、利下げを慎重に行うと考えられます。
市場は、インフレと金融政策の不確実性に対応するために、リスク回避的な姿勢をとっています。株式は、利下げの期待が後退したことで下落しましたが、企業の業績は堅調であり、今週の決算発表に注目が集まります。
債券は、インフレの上昇によって利回りが上昇しましたが、FRBの利下げのペースが遅いことで、長期的には下落する可能性があります。現状は「2年債>10年債」となっており、逆イールドが発生しています。これが不景気のサインかどうかは、現時点ではわかりません。
通貨は、ドルが強くなりましたが、ユーロやポンドは弱くなりました。日本円は、リスク回避の需要によってやや強くなりました。現在144.50前後。
暗号通貨は、規制の緩和によって大きく上昇しましたが、まだ高いボラティリティを示しています。
今後の株価の動向
今後の株価の動向は、インフレと金融政策のバランスにかかっています。
インフレが高止まりすると、FRBが利下げを早める可能性がありますが、これは株式にとってポジティブなシグナルです。
一方、インフレが低下すると、FRBが利下げを遅らせる可能性がありますが、これは株式にとってネガティブなシグナルです。
しかし、インフレがあまりにも低くなると、経済の減速を示すことになり、株式にとってネガティブになります。したがって、株式は、インフレが2%前後に安定することを望んでいます。
また、株式は、企業の業績や景気の回復にも左右されます。
景気の回復は、ワクチンの普及や財政刺激策によって支えられていますが、パンデミックの変異株や地政学的な緊張などのリスクも存在します。
したがって、株式は、インフレと金融政策のバランスと、企業の業績と景気の回復の進捗に応じて変動はありますが、多くの金融機関の見方は2024年の見通しについて「強気」です。
今後の為替の動向
今後の為替の動向は、金融政策の差異にかかっています。
ドルは、インフレの上昇によってFRBが利下げを見送るとの期待が高まったことで、強くなりました。しかし、ドルの強さは、インフレの上昇が一時的なものであるとFRBが主張することで、抑えられる可能性があります。
また、ドルの強さは、米国の貿易赤字や財政赤字を拡大させることになり、ドルにとってネガティブになります。したがって、ドルは、FRBの金融政策の見通しと、米国の経済指標に応じて変動はありますが、多くの金融機関で2024年は下限=130円前後です。
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