今日は、証券アナリスト試験の勉強方法について、書いてみたいと思います。
証券アナリスト(CMA)試験の概要
SAAJのCMA(証券アナリスト)試験とは、日本証券アナリスト協会が実施する通信教育と認定試験の制度です。
証券分析や評価を行う証券アナリストとしての技能向上を目的としており、1次試験と2次試験に合格し、実務経験が3年以上の者を日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA®)として認定しています。
1次試験は、春と秋に国内9都市と海外3都市で実施されます。
科目別に受験申込みができ、すべての科目を受験することも一部の科目のみを受験することも可能です。試験科目は以下のとおりです。
- 科目Ⅰ:証券分析とポートフォリオ・マネジメント(170分・170点)
- 科目Ⅱ:財務分析、コーポレートファイナンス(100分・100点)
- 科目Ⅲ:市場と経済の分析、数量分析と確率・統計、職業倫理・行為基準(90分・90点)
試験は正解が1つのマークテスト問題で、原則として講座テキストから出題されます。
試験の合否は、上位一定割合の受験者の平均得点を基準に決定されます。
科目IIIについては、総得点が合格最低点を上回っていても、職業倫理・行為基準の得点が一定水準に達していない場合、不合格となります。
2次試験は、1次試験の3科目のすべてに合格した者が受験できます。
2次試験は、証券分析の実務能力を問う記述式試験です。
指定されたテーマに沿って記述式で解答し、提出する試験です。
2023年以降の証券アナリスト2次試験の試験時間は、以下
試験日:毎年6月上旬
試験時間:午前180分(180点)、午後180分(180点)の合計360分(360点)
出題分野:「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」「コーポレート・ファイナンスと企業分析」「市場経済の分析」「職業倫理・行為基準」の4科目
証券アナリスト(CMA)試験の難易度は?
CMA試験の難易度は、一般的に高いと言われています。
試験には数式を使う科目が多く、範囲が広いため、数学や統計学の知識や応用力が必要です。また、1次試験と2次試験の両方に合格するだけでなく、3年以上の実務経験も認定されなければなりません。
CMA試験の合格率は、1次試験では48.0%から55.0%、2次試験では45.0%から54.8%と、比較的安定しています。
しかし、試験の難易度は、合格率だけでは測れません。
試験には、協会の通信教育を受講することが必須であり、その期間は1次試験で8ヶ月、2次試験で9ヶ月と長いです。
また、試験の出題範囲は、証券分析やポートフォリオ・マネジメントなど、幅広く深い専門知識を要求されます。
CMA試験の難易度を偏差値で表すと、約62という評価があります。
これは、日商簿記検定2級と1級の中間くらいの難易度と言えます。
また、同じ金融系資格としてFP1級と比較されることも多いですが、難易度を比較するのは、それぞれの試験の目的や内容が異なるため、一概には言えません。
しかし、一般的な見解としては、以下のような点が挙げられます。
証券アナリスト(CMA)試験
証券アナリスト(CMA)試験は、金融市場や投資理論などを深く探る試験であり、試験対策には大きな労力が必要です。試験の内容は広範で深いため、難易度が高いと言われています。
1級ファイナンシャル・プランニング技能検定試験
FP1級は、多岐にわたるトピックを浅く学ぶ試験であり、深い知識は特定の分野に限定されます。試験の内容は網羅的で幅広いため、難易度は中程度と言われています。
したがって、一般的に言えば、証券アナリスト(CMA)試験のほうが学習内容の幅と深さ、試験の形式から考えて難易度が高いと言えるでしょう。
ただし、これはあくまで一般的な評価であり、個々の受験者の事前の知識や学習能力、関心領域により感じる難易度は大きく変わり得ます。
数学が得意な人は証券アナリスト試験の方が、暗記の多いFP1級よりもイージーに感じると思います。
ゴローはどちらの資格も持っていますが、証券アナリスト試験の方が難しかったように思います。
CMA試験は、証券アナリストとしての高いレベルのスキルを証明する資格ですが、それだけに、試験の難易度も高いということです。
証券アナリスト(CMA)1次試験の傾向と対策
科目ごとに見ていきましょう。
1次試験ではトータル260時間程度の学習量が必要といわれています。
ゴローもそれくらいでした。
科目Ⅰ:証券分析とポートフォリオ・マネジメント
この科目は、証券分析の基礎となる投資理論やポートフォリオ理論、資本市場や金融商品の仕組みなどを学びます。数式や計算問題が多く出題されるので、数学や統計学の知識や応用力が必要です。
勉強時間は、約100時間を目安にしてください。
科目Ⅱ:財務分析、コーポレート・ファイナンス
この科目は、企業の財務状況や業績を分析するための財務分析と、企業の資金調達や投資判断を行うためのコーポレート・ファイナンスを学びます。
決算書や財務比率、キャッシュフロー分析などの財務分析の基礎から、企業価値評価やM&Aなどの応用的な内容まで、幅広くカバーされます。
勉強時間は、約80時間を目安にしてください。
科目Ⅲ:市場と経済の分析、数量分析と確率・統計、職業倫理・行為基準
この科目は、証券分析に必要な市場や経済の分析、数量分析と確率・統計の知識、そして職業倫理・行為基準を学びます。
市場や経済の分析では、マクロ経済やミクロ経済の理論や指標、金融政策や財政政策などの影響などを理解します。
数量分析と確率・統計では、証券分析に用いられる数学的な手法やモデル、確率や統計の概念や分布などを学びます。
職業倫理・行為基準では、証券アナリストとしての倫理観や行動規範、法令や規制などに関する知識を学びます。
勉強時間は、約80時間を目安にしてください。
一次試験の学習方法
とりあえず過去問題集を解き実力を把握する
とりあえず、テキストなどは見ずに、「今の自分でどれだけ解けるのか、わかるのか」を判断するために、どの科目についても、「過去問題集」を解いてみましょう。
過去問題集は、協会のものでも構いませんが、アマゾンなどで買える市販のTACの過去問題集が良いと思います。
ただし、アマゾンで買うと「定価」になるので、TACのサイバーブックスストアを使った方が良いと思います。会員登録すると10%引きで購入できます。
リンクを貼っておきます。(単なるリンクです。ゴローに収益は発生しません)
過去問題を解いてみて、その問題がわかっても、わからなくても構いません。
とりあえず「現状」を「理解」することが重要です。
ゴローは、科目Ⅰの証券分析・ポートフォリオマネジメントについて、まったくわからなかったので、『証券アナリストのための数学再入門』を購入し、読んで数学を思いだすことから始めました。
証券アナリスト第1次、第2次試験の通信教育受講者(=つまり、受験する人)は、証券アナリスト協会のHP(マイページ)から20%引きで購入できます。
非情にわかりやすいのでオススメです。
過去問題集の答えを暗記してパターン分析するのも良いのですが、本質的に理解して同じような問題を解こうとするなら、回り道をするようですが、数学再入門から入った方が良いと思います。
科目Ⅲ:市場と経済の分析、数量分析と確率・統計にも活かすことができます。
実力を把握し、数学再入門を読破したら、再度過去問題集にトライ
過去問題集を1周目から5周目まで解きます。
1周目は全体的な理解を深めるために、解答を見ながら解きます。
2周目以降は、解答を見ずに解き、間違えた問題や分からなかった問題は復習します。
5周目までに、過去問題のほとんどを正解できるようになりましょう。
その途中、わからないテーマがあればYoutubeで学ぶことも効果的です。
しし丸さんのYoutube「しし丸の証券アナリスト学習室」では、1テーマごとに5分~15分程度に解説してくださるので、わからないところを理解するためにはGoodだと思います。
ゴローは会計についてはだいたいわかるので、科目Ⅱ:財務分析、コーポレート・ファイナンスについては、あまり苦労しなかったのですが、科目Ⅰ:証券分析とポートフォリオ・マネジメントと科目Ⅲ:市場と経済の分析、数量分析と確率・統計、職業倫理・行為基準については、けっこう見ており、勉強させていただきました。
こうしたYoutubeなどのデジタル教材を使って、理論や概念、分析手法などを復習します。過去問題集だけではカバーできない内容や、詳細な説明が必要な内容については、捨てても良いかもしれません。(ただでさえ範囲が広すぎるので)
また、数量分析と確率・統計の内容は、数式や計算問題に慣れることが必要です。
最後に、過去問題集を6周目以降も解き続けます。
この段階では、時間を計って解くことで、本番の試験に近い状況での対策を行います。また、過去問題集の中から、重要度の高い問題や難易度の高い問題をピックアップして、集中的に復習します。試験直前までに、過去問題のほぼ全てを正解できるようになれば、かなりの高確率で合格に近づくと思います。
ゴローの場合、証券アナリスト(CMA)1次試験は過去問題集と「証券アナリストのための数学再入門」、しし丸さんのYoutube、過去問題集でクリアすることができました。
証券アナリスト(CMA)2次試験
第2次試験は、総合問題として出題される記述問題が中心の試験です。
午前と午後の180分ずつ、両方の受験が必要で、合計360分(360点)の試験時間です。
試験の内容は、「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」「コーポレート・ファイナンスと企業分析」「市場経済の分析」「職業倫理・行為基準」の4科目からなりますが、設問によっては、複数の科目を関連付けて問題を作成されることがあります。
第2次試験の勉強時間や勉強方法には、個人差がありますが、一般的な目安としては、以下のようなものが挙げられます。
勉強時間:試験日の約6か月前から本格的に勉強を始めることが望ましいです。
週に20時間程度、合計で500時間以上の勉強時間が必要とされます。
試験の1か月前には、過去問や模擬試験を解いて、自分の弱点や時間配分を確認することが重要です。
勉強方法:第2次試験は、記述問題が多いので、自分の言葉で答えることができるように、理解を深めることが必要です。
また、複数の科目を統合的に考えることができるように、幅広い知識を身につけることも大切です。そのためには、以下のような勉強方法が有効です。
- 教材や参考書を読んで、重要なポイントや公式を暗記する。
- 自分でノートを作って、整理する。
- 過去問や模擬試験を解いて、解答例を比較する。
- 講座やセミナーに参加して、アドバイスを聞く。
- 他の受験仲間と会話し、情報交換をする。
ゴローは、2次試験の過去問題集を見て、「これは無理だ」「この試験に手を出したのは失敗だったかも」と思いました。
とは言うものの、すでに1次試験をクリアしてしまっており、2次試験の受験のために証券アナリスト協会の2次講座も申し込んでいたので、専門学校の門を叩くことにしました。
「講座やセミナーに参加して、アドバイスを聞く」ことにしたのです。
LECの証券アナリスト2次試験講座に申し込む
ゴローは、どうしても証券アナリスト試験に合格したかったので、評判のよかったLECの2次試験対策講座に申し込みました。
仕事の関係で自宅で受講したかったので、WEB通信スタイルでした。
テキスト・レジュメが期間ごとに郵送されてきて、WEB動画もそれに合わせてUPされていきます。WEB動画は150時間以上、見て学習したと思います。
LECの2次試験講座は、主として2次試験の過去問題の解説です。
WEB講義を見ながら解いて、1日置いてからまたひとりで解いてみて、ということを繰り返していきました。
そこから、再び2次試験の過去問題集(TAC)に取り掛かり、学習を進めていきました。
最後の仕上げとして、TACの証券アナリスト2次試験の直前模試に申し込み、きちんと時間を測って解き、解答用紙も郵送し、採点してもらいました。
その時の合格判定は「B」判定でした。
まだまだ基礎力が足りていなかったと反省し、TACの直前模試の解答を見ながら、暗記するまでやりこみました。
そこから本試験に臨みました。
結果、合格通知が届き、ほっと安心したことを憶えています。
勉強時間を短くする方法
勉強時間を短くする方法はいくつかありますが、一般的には以下の3つが有効です。
- 勉強の内容やスタイルを変えて、飽きないようにする
- 勉強に制限時間を設けて、集中力を高める
- 隙間時間を利用して、短時間頻繁に勉強する
これらの方法について、詳しく説明します。
まず、勉強の内容やスタイルを変えるという方法です。
これは、脳が新しい刺激に対して活性化されるという特性を利用するものです。
同じ分野やジャンルの勉強を長時間続けると、脳が飽きてしまい、効率が下がります。
そこで、勉強する分野やジャンルを頻繁に切り替えることで、脳に刺激を与えて、飽きないようにするのです。
次に、勉強に制限時間を設けるという方法です。
これは、パーキンソンの法則という心理学の法則に基づくものです。
パーキンソンの法則とは、「人は時間やお金といったあらゆる資源を、あればあるだけ使ってしまう」というものです。
つまり、時間があるからといって、長時間勉強すると、無駄な時間が増えてしまうということです。そこで、勉強に制限時間を設けることで、集中力を高めて、効率を上げるのです。
例えば、15分法や45分法という、時間を区切って勉強する方法があります。
最後に、隙間時間を利用して、短時間頻繁に勉強するという方法です。
これは、短時間頻繁型の学習が記憶の定着に役立つという脳科学の知見に基づくものです。
日常には、無駄にしてしまっている隙間時間がたくさんあります。例えば、通勤や通学の時間、電車やバスを待っている時間、就寝前の時間などです。これらの時間を利用して、勉強することで、記憶の定着を促進することができます。
例えば、スマートフォンを勉強道具にして、暗記やリスニングなどの勉強をすると効果的です。
ゴローは隙間時間を使って勉強していましたね。
証券アナリスト(CMA)試験の勉強は、正直しんどいこともありますが、やれば必ず報われる試験だと思います。
がんばってください!
★大変励みになります。応援よろしくおねがいします!