Take The Risk or Lose The Chance ゴローのバフェット流米国株式投資術

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【経済分析】FRBによる量的緩和解除の進展=米国債金利の上昇=株価暴落!?

こんにちは!

ゴローです。

 

2018年後半の米国株式市場は激動のボラティリティに支配されて、株価に敏感な短期投資家は一喜一憂することになったと思います。

特に10月~11月の上げ下げは変動幅が大きく、株価に一喜一憂しないことにしているゴローも、さすがにうろたえました。これは正直なところです。

 

さて、12月も半ばにさしかかり株式市場はまた下げています。

景気循環の波が山から谷へと落ちるサインとなる「長短金利の逆転現象」も近く見られると予想されており、長期投資家といえども油断は禁物です。

高値で買っている株式で利益が出ているのであれば、一度売却して利益を確定させておいても良いかもしれません。

トレンドフォロー型の投資スタイルで、短期売買でキャピタルゲインを狙っている投資家の方であれば尚更です。

 

長期投資において、株式を購入する都度合算・平均され、取得原価は長期的に形成されていくものですから、「高く買っても低く買っても、いずれは平均値に収斂していきますので、株価の変動に対して寛大な対応をしていれば良い」、という考え方があります。

私もその考え方に同意していますが、「利食い千人力」とも言います。

売買コスト(手数料)とキャピタルゲインに対する課税(約20%)がかかるので損だとも言えますが、ポジションを解約しておけば評価損も避けられます。

いわゆる「精神衛生上」よくない状態をキープするためには、必要な時もあるでしょう。

 

それでは、なぜこんなにも下げているのでしょうか。

ゴローが考える理由は、「FRBの利上げ」にあると思います。

 

FRBは今年の10月から、量的緩和を最大のピッチにまで上げています。

アクセル全開というやつです。

効果としては、FRBが月間500億ドルの債券(そのうち300億ドルが米国債、200億ドルがMBS(住宅ローン担保証券))を売却しているのと同じものです。

 

●債券を売却⇒債券価格下落⇒金利上昇

のサイクルになりそうだ、ということです。

 

これは、FRBは持っていた債券の中で「償還を迎える500億ドル分については、再投資しない(債券を買わない)」ことになり、この500億ドルについては、「米国財務省が500億ドル分の債券を民間銀行などに対して発行してキャッシュを調達し、FRBに対して返済する必要がある」、ということを意味しています。

 

 この米国財務省が発行する500億ドルの債券については、「メキシコとの国境に壁を建設する」などという(本当には行われないと思いますが)公共事業に使われることになるので、債券市場には戻ってこず、金利の上昇圧力となっていきます。

 

もう一度書きますが、

●債券を売却⇒債券価格下落⇒金利の上昇

 

というサイクルになるので、このFRBの「500億ドルの再投資はしない」宣言はかなり金利上昇に対してインパクトがあると思います。

 

米国では、現時点で失業率が48年ぶりの3.7%まで下がっており、フィリップス曲線の理論に従うとこれは「低失業率=高インフレ率」となるため、FRBはインフレ抑制のために金利を上げる方向に傾きます。

 

 これも、金利上昇に対するインパクトになります。

 

ただ、一部の報道ではトランプ大統領が「移民政策について排他的な」対応をしているため、米国においては労働力が確保できず低失業率となっているだけだ、という見方もあります。

 

米国経済の本当の実力は、マクロ統計にはもしかしたら表れていないのかもしれません。

先日も、日本の「千代田化工建設」が2019年3月期の連結決算予想を発表し、1050億円の赤字となる見込みだということでした。

これは、米国のシェール由来のLNGプロジェクト「キャメロン」の採算が悪化したため、とのことで、その内容の一部に、「労働者の人件費の高騰」を想像させる言葉がありました。

労働市場が逼迫し、キャメロンプロジェクトの労働者定着率が想定を下回り、技能工の不足から現場の生産性が悪化している。19年中に予定する完成までに増えるとみられる人件費負担など工事コスト増を織り込んだ。

From 日経新聞

 

 つまり、企業は人件費を上げなければ労働者を確保できないほど、低失業率で人が余っていない、ということを意味しています。

 

また、米国のインフレ率は2.2%と、低失業率な割にはあまり高くありません。

このあたりにも、米国経済の本当の実力が表れているのかもしれません。

 

こうした状況のなかで、FRBの2019年の利上げはなんと1回(!)とも言われており、リーマンショック以来、長らく続いた米国景気の拡大もそろそろ終焉を迎えようとしているのかもしれません。

 

そんな見方を先回りし、マーケットはボラティリティが高くなっており、先週はだいぶ下げました。

株価はマクロ経済の先行指標です。

素直に従っておいた方がよいかもしれません。

 

ただし、長期投資家はこうしたマクロ経済状態の先行きを「予想」してはいけません。

「どのようになるのか」

というよりは、

「今現在どうなのか」

を分析し、今が投資すべき時なのかどうかを判断するひとつの材料とすべきです。

 

基本は、「景気の谷で買い、景気の山で売却する」です。

言うは易し、行うは難しですが、これが王道です。

ゴローは暴落を待っているわけではありませんが、景気の山谷とは関係なく暴落銘柄があるとワクワクしてしまいます。

ちょっと変わっているかもしれませんが、「暴落はチャンス」なのです。

 

その中でも回復の見込みがない銘柄は避けますけどね。

 

Take the risk or Lose the chance.


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